中小企業ができるエコの取り組み バックオフィス部門のペーパーレス化から始めよう!
人事、経理、一般事務、財務、など様々な業務のある、企業のバックオフィス部門。今、エコの観点から、中小企業のバックオフィス部門をペーパレス化する取り組みが注目されています。
今回はそんな中小企業におけるバックオフィス部門のペーパレス化について、どのような課題やメリットがあるのか、またペーパレス化のポイントについてもまとめました。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
1.ペーパーレス化の基礎知識
ペーパーレス化とは?
ペーパーレス化とは、従来、紙媒体で管理していた書類を電子化(デジタル化)し、電子データとして利用できるようにすることで、紙の書類をなくしていくということです。
紙の書類を電子化する際には、「電子帳簿保存法(※1)」や「e文書法(※2)」といった法律に則っておこなうことが必要になります。
ペーパーレス推進の現状
日本では1998年に「電子帳簿保存法」が、2005年に「e-文書法」が施行され、それまで紙での保存が義務付けられていた書類を、規定の要件に従えば電子データで保存してもよいということになりました。
2020年4月の電子帳簿保存法の改正ではスキャナ保存についての要件が追加され、それによってペーパーレス化がおこないやすくなりました。
また、新型コロナウイルス感染症の流行により、感染防止のためのテレワークが広まったことから、ペーパーレス化せざるを得なくなった企業が増加しました。
2021年12月に公表された、ペーパーロジック株式会社の「ペーパーレス化に伴う2022年度予算」に関する調査(東京に本社を構える企業の経営層150名を対象に実施)によれば、2021年時点で72.3%の企業がペーパーレスに着手していると回答しています。(https://paperlogic.co.jp/news_20211227/)
また、2022年の電子帳簿保存法の改正では、電子取引でやりとりされたデータをオリジナルの電子データで保存することが義務付けられました。
電子帳簿保存法における「電子取引」の事例
- 請求書や領収書のデータ(PDFなど)をメールで受信した。
- Webサイトからダウンロードした領収書のデータ(PDFなど)や、スクリーンショット(画像データ)を利用した。
- クラウドサービス上で、請求書や領収書を授受した。
- クレジットカードの利用明細データ、交通系ICカードによる支払データ、スマートフォンアプリによる決済データ等を活用したクラウドサービスを利用した。
- 特定の取引に係るEDIシステムを利用した。 ペーパーレス化されたFAX機能を持つ複合機を利用した。
- DVDに記録された請求書や領収書のデータを受領した。
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2022年改正!!電子帳簿保存法~電子保存義務化対象書類と要件~
この改正内容は、すべての企業が対象となります。
そのため、大手企業だけでなく中小企業においても、ペーパーレス化の流れはますます加速すると考えられています。
ペーパーレス化のメリット
ペーパーレス化をすることで、一般的には次のようなメリットがあります。
ペーパーレス化を行うことのメリット
- 経費削減
- 保管スペースと管理コスト削減
- 業務の効率化
- 多様な働き方の実現
- 災害対策
- 環境保護、SDGsへの貢献
- 企業イメージの向上、ブランディング
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ペーパーレス化(電子化)を行うメリット・デメリット
2.バックオフィス部門のペーパーレス化で業務はこう変わる!
ここからは、バックオフィス部門でペーパレス化をおこなうと業務は具体的にどう変わるのかを見ていきたいと思います。
経理部門の負担軽減
経理部門で主に扱う請求書や契約書、見積書などの文書は、お金に関する情報を含む重要な文書であることから、多くの場合、紙媒体での作成・管理がおこなわれてきました。
しかし、現在はほとんどの会社がパソコンでExcelやWordなどのオフィスソフトを使って書類を作成しており、それをわざわざ紙で印刷して管理をするというのは、無駄であるといえます。
書類を電子化してPDFデータなどの電子データでやり取りするようにすれば、印刷の手間を省けるために、今までよりも速いスピードで書類の処理をおこなうことができます。また、紙の書類を管理するコストもなくすことができます。
このような業務効率化によって、社員の業務負担を減らすことができます。
社内稟議のスピードアップ
企業という組織の中で業務を進めていくうえで、意思決定をおこなうには、稟議により上層部の承認を得なければなりません。
従来、紙ベースで稟議書を作成し、上司から捺印をもらうという流れが一般的でしたが、この方法では、課長や部長などの決裁権者が不在の場合には、稟議が遅れてしまい、結果として業務に支障が出てしまうことも考えられます。
書類を電子管理すれば、決裁権者が外出していても出先から承認をもらうことができ、今までよりも早く業務を進めることができます。
また、専用の稟議システムやクラウドサービスを利用すれば、従来のワークフローを見直し、より簡単に業務を効率化しやすくなると考えられます。
捺印を廃止できる
近年、リモートワークが広がっていく中で、書類を紙で管理しているために、捺印のためだけに出社しなければならないケースが問題となりました。
書類を電子管理するようにすれば、このような無駄な業務をなくすことができます。
電子署名や電子契約に対応したシステムやクラウドサービスを利用すれば、捺印するというプロセス自体をなくすことができます。これにより、業務負担を大きく減らすことができると考えられます。
今後は電子署名や電子契約を取り入れる企業が増えると考えられるため、取引先企業との連携のためにも、なるべく早く電子化に対応することが望ましいでしょう。
3.バックオフィス部門のペーパレス化をするためには何が必要か?
ペーパーレス化の必要性を理解してもらう
長年、紙ベースで仕事をしてきた人にとっては、ペーパーレス化の必要性を感じないということもあるかと思います。
特に年齢層が高い上層部がこのような考え方を持っている場合、ペーパーレス化をすすめるためには、まずその必要性について理解してもらうことが大切です。
ペーパーレス化のメリットはもちろん、デメリットについてもあらかじめきちんと伝え、理解してもらうことで、導入時のトラブルを防ぐことができます。
特にITリテラシーの低い人の場合は、業務の仕方が変わることによって、慣れないやり方をおこなうことに抵抗を覚えるケースもあります。そのような人に対するサポート体制を整え、不安を軽減させるような工夫をすることも、ペーパーレス化のスムーズな実現のために必要になります。
また、上層部に対しては、社内だけでなく取引先や顧客との関係に影響する可能性についても言及しておくことで、納得してもらいやすくなるでしょう。
社内ルールの整備
今まで紙ベースで業務を行ってきた場合、ペーパーレス化をおこなうことで、ワークフローを変えていく必要があり、そのためのルールづくりがとても大切になってきます。
全ての書類を電子化することが難しいと感じる場合でも、なぜその業務は紙ベースでなければならないのか、一度ゼロベースで検討し直すことで、電子化した場合にどんな問題が起こりうるのかを明確化できます。
そのようにして浮かび上がった課題を解決するように運用ルールやワークフローを作っていくことで、スムーズにペーパーレス化を進めていくことにつながります。
自社の業務に合ったサービスの検討
書類の電子保存に対応するサービスは多くありますが、その中でも、自社に合ったサービスを選んでいくことが重要です。
具体的には、以下のポイントに注意して必要なサービスを検討すると良いでしょう。
検討ポイント
- どの書類に対応しているか(対応書類の範囲)
- 書類の作成や自動入力に対応しているか
- 電子帳簿保存法に対応しているか
- データの検索性が良いか
- 決裁システムがあるか
4.まとめ
今回は、バックオフィス部門におけるペーパーレス化について解説してきました。
バックオフィス部門をペーパーレス化することで、コスト削減や業務効率化はもちろんのこと、中小企業であっても、環境に対して少しずつプラスの取り組みをしていくことができます。
弊社のGO!!電帳というサービスでは、書類や帳簿を電子管理することにより、ペーパレス化をおこなうことができます。
CO2削減量も一目でわかるため、環境に対してどれくらい貢献できたのかもわかり、社員のモチベーションアップや、CSRの指標にもなります。
ぜひ一度、検討してみてはいかがでしょうか。
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