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電子帳簿保存法とは~「電子帳簿保存法」改正の歴史について解説!

歴史

1.電子帳簿保存法の概要

「電子帳簿保存法(電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律)」とは、①国税関係帳簿書類の電磁的記録等による保存等、②国税関係書類のスキャナ保存、③電子取引を行った場合の取引情報に係る電磁的記録の保存について定めた法律です。電子帳簿保存法を略して「電帳法」とも呼ばれます。

本来、国税関係帳簿書類は、法人税法や所得税法、その他の税法などで、原則として紙(書面)で保存することが定められていますが、それを特例として電子データでの保存を認めるための法律ということです。

2.電子帳簿保存法の歴史

電子帳簿保存法は、情報化社会に対応し、国税の納税の適切な履行や、納税者の国税関係帳簿書類の保存に関わる負担軽減のため、所得税法、法人税法、その他の国税に関する法律の特例として、1998年に施行されました。

しかし施行された当時は、あまり普及しませんでした。

制定当初の対象書類は、初めから電子データとして作成された書類に限定されたものでした。さらに、電子帳簿保存法に対応した電子保存を始めるには、管轄税務署長への事前承認を得なければならず、短くとも半年から1年の準備期間が必要と言われていました。

また、検索要件に対応するための電子帳票システムの導入など、システムの導入に関わる部門の負担も大きく、企業側としても簡単には導入に踏み切れない事情もありました。

電子データは作成日時や内容などの変更や上書きといった改ざんが行われやすいということからリスクが大きいと考えられ、慎重にルールが定められていたということもありました。

2005年になって、電子帳簿保存法と関連して、「e-文書法」という法律が施行されました。この法律は国税庁と財務省の他に、複数の省庁が管轄する法律を、改正なしに電子保存することを認めたものであり、この法律の施行に伴って、電子帳簿保存法も改正されました。

以前は認められませんでしたが、紙(書面)の「国税関係書類(法律関係書類を除く)」をスキャナで読み込み、電子データ化して読み込むことも、認められるようになりました。しかし、領収書や請求書は3万円未満に限定し、電子署名が必要とされるなど、厳しい要件も課されていました。

e-文書法も含めた、時代の変化による影響から、電子帳簿保存法は、その後何度も改正が行われ、普及のために要件の見直しが都度行われています。

施行・改正年概要対象帳票
1998年電子帳簿保存法施行。
国税関係帳簿の電子保存が可能に。
会計帳簿や国税関係書類
(紙帳簿のスキャナ保存は対象外)
2005年「e-文書法」施行により改正。電子帳簿保存法でスキャナ保存制度開始。
電子署名が必要かつ3万円以下の国税関係書類に限定。
領収書や契約書、請求書や見積書などの取引関連書類が追加(当該帳票のスキャナ保存可に)
2015年スキャナ保存要件緩和。
3万円未満の金額基準撤廃、電子署名も不要に。
2016年デジタルカメラやスマホも対象に。
証憑を受け取った本人がスキャンする場合は自署が必要。
2019年スキャナ保存の期間制限が緩和。
過去分の重要書類も税務署に届出すれば対象に。
2020年「電子取引」における対応措置要件の緩和
2021年税務署長への事前承認撤廃、タイムスタンプ要件緩和、適正事務処理要件廃止、検索要件の緩和(2022年1月施行)

2015年には、スキャナ保存の要件が大幅に緩和されました。3万円未満という金額の上限が撤廃され、電子署名も不要になりました。

2016年にはデジタルカメラやスマートフォンによる撮影での電子データ化も認められるようになりました。

また、2020年の改正では、キャッシュレス決済の場合に領収書が不要になるなど、電子取引での対応措置要件も緩和されています。

さらに2022年1月の施行の改正では、テレワークの普及によるペーパーレス化の進行などを背景に、さらなる抜本的な見直しがなされました。これにより、電子帳簿保存法に対応する企業は一気に増加すると期待されています。

3.2022年1月改正のポイント

これまで、電子帳簿保存法改正の歴史について説明してきました。ここからは、2022年1月の改正のポイントについて、3つの区分にそって解説していきます。

1. 電子帳簿等保存

税務署長の事前承認制度の廃止

⇒国税関係帳簿を電子データで保存する際に、税務署長による事前の承認が不要となりました。

電子帳簿保存要件の大幅緩和

⇒電子帳簿が要件によって、「優良な電子帳簿」とそれ以外の電子帳簿(「一般電子帳簿」とする)に分けられ、一般電子帳簿についての要件が大幅緩和されました。

優良な電子帳簿について過少申告加算税の軽減措置

⇒要件を満たし「優良な電子帳簿」と認められたものは、過少申告加算税が5%免税されます。

2. スキャナ保存

税務署長の事前承認制度の廃止

⇒電子帳簿等保存と同様、税務署長による事前承認が不要になりました。

タイムスタンプ要件、検索要件等の緩和

⇒主に以下の点について改正されました。

  • 受領者等がスキャナで読み取る際、国税関係書類への自署が不要に
  • 受領者本人がタイムスタンプの付与を行う場合の付与期間が延長
    改正前:おおむね3営業日以内(「特に速やかに」との文言)
    改正後:最長約2か月と概ね7営業日以内(「速やかに」との文言)
  • タイムスタンプ要件の緩和
    電子データの訂正または削除を行った際、入力期間内(最長2か月と概ね7営業日以内)において、その電子データの保存を行ったことをクラウド等で確認できる場合は、それをタイムスタンプの付与に代えることができるようになりました。
  • スキャナ保存が認められるための「検索要件」の記録項目が削減
    検索要件の記録項目が、取引年月日その他の日付、取引金額および取引先に限定されました。また税務職員による質問検査権に基づく電子データのダウンロードの求めに応じる場合には、範囲指定及び項目を組み合わせて検索条件を設定できる機能の確保が不要となりました。
    • 適正事務処理要件の廃止
      ⇒適正事務処理要件とは、相互けん制、定期的な検査及び再発防止策の社内規程整備等のことですが、この要件は廃止されました。
    • スキャナ保存された電磁的記録に関連した不正があった場合の重加算税の加重措置が整備
      ⇒スキャナ保存された国税関係書類に係る電子データを隠蔽、または仮装した場合は、その事実に関して生じた申告漏れ等に課される重加算税が10%加重されます。

3.電子取引の電子保存

タイムスタンプ要件、検索要件等の緩和

スキャナ保存と同様に、以下のように改正されました。

  • 受領者本人がタイムスタンプの付与を行う場合の付与期間が延長
    改正前:(「遅滞なく」との文言)
    改正後:最長約2か月と概ね7営業日以内(「速やかに」との文言)
  • 「検索要件」の記録項目の削減
    「検索要件」の記録項目が取引年月日その他の日付、取引金額及び取引先に限定されました。また税務職員による質問検査権に基づく電子データのダウンロードの求めに応じる場合には、範囲指定及び項目を組み合わせて検索条件を設定できる機能の確保が不要となりました。 また、小規模な事業者(基準期間(※)の売上高が1,000万円以下である事業者)は、税務職員による質問検査権に基づく電子データのダウンロードの求めに応じることができる場合、検索要件の全てが不要とされました。
    ※基準期間
    個人事業者:電子取引が行われた日の属する年の前々年の1月1日から12月31日までの期間
    法人:電子取引が行われた日の属する事業年度の前々事業年度
  • 電子取引の取引情報の保存方法について、紙出力による保存の廃止
    これまでも原則として、電子データでの保存が必要でしたが、紙出力での保存も容認されていました。しかし、今後は全ての事業者に電子データでの保存が義務づけられました。
    ※2021年12月の財務省令により、2022年1月から2年間の電子取引情報については、一定の要件下でのみ、紙出力での保存が許容されることとなりました。
  • 重加算税の加重措置の整備
    スキャナ保存の場合と同様、電子取引の不正に対して、重加算税が10%加重されます。

4.まとめ

電子帳簿保存法は、情報化社会の進行による時代の変化に合わせて、何度も改正を繰り返し、今日まで要件の見直しが行われてきました。

企業担当者の側としては、度重なる変更への対応に追われ、負担が大きい部分もあるかと思いますが、これを機に業務のあり方を見直して効率化を行い、ひいては企業全体としての生産性向上へとつなげることも可能ではないかと考えられます。

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