うっかりでは済まない⁉︎ 〜請求漏れを防止するために大事なこと〜
日常の業務の中で、つい請求漏れをしてしまうことは、どの企業でもあるのではないのでしょうか?
企業にとって、サービスの対価を受け取るのは重要な権利です。しかし請求書を送り忘れるなどのミスによって請求漏れを起こしてしまうと、その権利を行使できずに大きな損失につながってしまいます。
今回はそんな請求漏れを防ぐ方法について考えていきたいと思います。
1.請求漏れとは
企業が製品を売ったりサービスを行った際、その代金として後から受け取れるお金のことを売掛金といいます。一般的に、会社同士の取引では、月末締めの翌月払いで掛け取引を行い、その月に納品した分の売掛金は翌月にまとめて回収します。
しかし、その売掛金を予定の期日までに回収できないことがあります。その原因として考えられることの一つが、「請求漏れ」です。
2.請求漏れが起きるとどうなるのか
請求漏れがあっても、実際に取引の事実があるため、代金はいずれ支払われると思われるかもしれませんが、多くの企業は請求書を受理して初めて入金処理を行うため、そのままにしていては入金されないこともあります。
相手の担当者が請求漏れに気づいてくれた場合は対応してもらえるかもしれませんが、両者とも気がつかない場合には、いつまで経っても入金が行われないこともあるでしょう。
そのため、請求漏れをしてしまうと、以下のような事態に発展してしまうことも考えられます。
資金繰りの悪化
いつまで経っても商品の代金が入金されず、売掛金が回収できなければ、その分企業に入るお金は減ってしまいます。
また、商品を作るために先に仕入れを行う場合、その分の支払いが発生していくため、そのままにしていると資金繰りの悪化を招きます。
このように請求漏れは企業の中のお金の流れを滞らせ、経営上のリスクにまでつながるのです。
取引先との信頼関係が悪化
請求漏れは自社の問題だけではありません。売掛金を回収できていないということは、取引先の資金管理にも影響を与えてしまい、トラブルの原因となり得ます。
また、決められた期日までに請求書を届けることのできないことによって、しっかりとお金の管理のできていない企業だとみなされ、取引先との信頼関係を失うこともあり得ます。
売掛債権の消失時効
2017年の民法改正により、売掛債権は5年で消滅時効が成立することとなりました。(2020年4月以降に発生した債権が適用対象)このため、請求漏れに気づかないまま5年放置してしまうと、その分の損失が生じてしまいます。
時効の成立を防ぐために、債務者が時効を主張する前に請求を行い、債務を承認してもらう必要があります。
3.請求漏れの原因
よくある請求漏れのパターン
請求漏れには、以下のようなパターンが挙げられます。
では、なぜこのようなことが起きてしまうのか、パターン別に原因を考えていきましょう。
請求書の作成をしていなかった
そもそも請求書の作成をしていなかった場合、以下のような原因が考えられます。
取引があった際に、営業担当がその事実を事務員に伝え忘れていたり、事務員から経理担当への連絡が滞っていたというケースがあります。その場合、経理担当は必要な請求を確認できず、請求書を作成することができません。
営業担当から経理担当に請求の連絡が来ていても、経理担当がそれを帳簿につけ忘れているということもあります。その場合、帳簿に書かれていないために、確認すること自体ができません。
また、帳簿に記録されていても、それをチェックし忘れていたり、確認に漏れがあると、請求書の作成をし忘れることになります。
請求書を投函していなかった
請求書は出来上がっているのにも関わらず、それを投函しそびれている場合もあります。この場合、事務担当が郵便物の管理ができていないということが考えられます。
一方、経理担当が出来上がった請求書を事務担当に渡しそびれるケースもあります。デスクが整理されていなかったり、書類の管理ができていないことが考えられます。
メールに請求書を添付していなかった
請求書を電子化していた場合でも、請求書をメール送付すべきところを、メールに添付し忘れるということもあります。
一人の担当者が忘れるのみならず、同じチームのメンバーのチェックが働かずに、添付忘れに気がつかない、という場合に起きるミスです。
請求漏れの原因
上記のパターンをまとめると、請求漏れの原因は大きく次の3つに分けられることがわかります。
- 請求書の管理ができていない
- 確認不足
- 部署間での伝達ミス
請求漏れを防止するためには、これらの問題を解決していく必要があります。
4.請求漏れを防止するための方法
では、請求漏れを防止するためには、具体的にどんな方法があるのか、問題別にみていきましょう。
1. 請求書の管理ができていない → 書類管理のルール作り
請求漏れをなくすためには、まず請求書の管理ルールを設け、それを厳格に守っていく必要があります。
具体的には、以下のようなルール決めをすると良いでしょう。
ここからは、Excel等を利用して、自社で書類を管理する方法について確認していきましょう。
まず、請求書には全て通し番号を振ります。取引があるたびに、Excelファイルなどに取引先や金額、発行日などの項目を用意し、請求書と番号を一対一対応させましょう。 Excelを利用して書類リストを作り、取引先ごとにソートをかければ、現在どこまで請求書を作成できているのかがわかります。 次に、書類のリストを利用して、作業リストを作りましょう。 書類のリストに、作業の項目を追加します。「未処理」「作成中」「作成済」「承認済」「送付済」など、それぞれの段階ごとに検索できるようになり、書類の作成漏れや送付漏れを防ぐことができます。 作業リストができたら、それらの作業を誰がいつ行うかを明確化する必要があります。 たとえば作業リストと同じExcelファイルに担当者の名前を記録しておき、スケジュール通りに進んでいるか、毎週確認するなどの仕組みをつくっておくとよいでしょう。書類にナンバリングを行う
作業リストを作って管理する
スケジュール管理を行う
2. 確認不足 → 複数の人間によるチェック体制を整える
書類のリストや管理マニュアルを整備しても、人間のすることである以上、担当者がたまたまミスをしてしまうことは避けられません。
誰かがミスをしても、他の人が発見できるように、初めから複数人体制でチェックをできるようにしておくことが必要です。
チェックリストを作る
まず基本として、チェックリストを作り、作業に抜け漏れがないか、日頃から確認しておくことが大切です。
さらに書類を電子化して複数人で閲覧できるようにすると、効率的に業務を進めることができます。
売掛金・買掛金帳簿の管理
請求漏れがないか確認する方法として、売掛金帳簿を確認する方法もあります。請求書そのものの管理が抜けてしまっていても、ここを適切にチェックすることで、まだ回収できていない売掛金がわかるため、請求漏れの発見につながります。
3. 伝達ミス → 書類管理業務を電子化(ペーパーレス化)する
請求書などの書類や、書類の決裁を全て電子化すれば、上記の二つの問題を同時に解決することができます。
紙の書類をPDFやExcelファイルで管理すれば、社内で情報を共有しやすくなります。紙の受け渡しのためにわざわざ会社内を移動する必要がないので、部署間での書類のやりとりもスムーズになります。
電子化することで、ナンバリングや検索なども行いやすくなるため、作業漏れが起こりにくくなります。
また複数人でファイルを管理し、タスクを共有することで業務の効率化を行うことができます。
関連記事
個人事業主・中小企業が知って得する「電子帳簿保存法」対応
4. 専用システムを導入する
自社で管理体制を整えるのが難しい場合は、外部のサービスを利用するのも一つの手です。
書類管理の専用システムやクラウドサービスを利用すれば、上記の課題を全て同時に解決することができます。
それぞれの会社の予算に合わせて、導入を検討するとよいでしょう。
5.まとめ
今までみてきたように、請求漏れによるマイナスの影響は大きく、防ぐためにはさまざまな工夫が必要です。ミスをなくすには個人の意識改革だけでは難しいため、専用のシステムの導入がおすすめです。
弊社のGO!!電帳というサービスでは、請求書の作成から社内承認・送付までを電子管理することができ、請求漏れのリスクを減らすことができます。
ぜひ一度、ご検討いただければ幸いです。
3ヵ月無料‼