【社内検討】電子承認とは何?メリットや注意点を解説~導入の流れまで
日本特有の文化であるハンコですが、ハンコ文化ならではのデメリットが多いことも事実です。
そこで電子承認の導入を考えている、という企業も多いはず。
本コラムでは以下の4点を中心に解説していきます。
- そもそも電子承認ってどんな仕組み?
- 電子承認のメリットは?
- 電子承認のデメリットは?
- 電子承認を導入するときの注意点
1.電子承認とはどんな仕組みなのか?
まずは電子承認の仕組みについて説明。
スマートフォンの普及をはじめ、生活の色々な場所でデジタル化が進んでいます。
それは企業も例外ではなく、電子署名や電子印鑑などの電子承認というシステムを導入する企業も出てきています。
従来では、上司の承認が必要な書類には、作成者がハンコを押し、上司に承認をしてもらうためにデスクまで歩き、上司にも承認した証としてハンコを押してもらう、という流れが主流でした。
しかし、最近ではリモートワークが増えてきたことにより、「ハンコをもらうためだけに出社する」という大変非効率な事態を招いています。
そういったこともあり、脱ハンコの動きが強まってきました。
こうした効率の悪い業務を無くしていくことで、より仕事のしやすい環境を整えることもできます。
電子印鑑や電子署名といったものを活用することで、「ハンコのためだけに出社」という事態を阻止し、業務効率化につなげることが可能です。
電子承認(電子印鑑)はどうやって本人であることを確認する?
これまでのハンコ文化というのは、「ハンコが押してあるから○○さんが見たんだな」という確認ができることが、大きな目的となっていました。
そのため、ハンコが押してあることが、上司がOKを出したという証拠にあたるわけです。
しかし、電子承認の場合にはどうでしょうか。
電子印鑑なら誰でも押すことができそう、と思いますよね。
実際のところ、電子印鑑にもいろいろな種類があり、ただの画像データとなっているものから、印影にデータを作成した人の情報や、いつ捺印をしたのかといった情報まで載せてくれるものもあります。
もちろん後者のシステムが高い信頼性を持っていて、本人であることを証明するのに適しているでしょう。
これが「電子署名」になると、第三者機関の認証事務局に認めてもらう必要が出てきます。
認定してもらうことによってはじめて電子署名としての法的な力が持たされます。
電子承認システムは社内での構築はせず、正規品を導入しよう
電子承認システムもピンキリまであるかと思いますが、あまり安いものを導入してセキュリティが甘いようでは意味がありません。
1ユーザーあたりの月額が決まっていたり、1印面あたりの金額が決まっていたりと、費用の計算もそれぞれ商品によって違う場合があります。
もちろん会社の費用を使って導入するものですから、安いことに越したことはありません。
しかし、場合によっては取引先についてのことを記載した書類を扱うこともあるかと思いますので、情報の漏洩などの心配がない、安全を第一に選ぶことをオススメします。
タイムスタンプで改ざんがされない文書作成
電子承認のシステムを導入するときには、タイムスタンプが付与されるものを選ぶことも重要です。
文書について、作成された日や時間を保存してくれる機能で、これがあることによって、改ざんを防ぐことに繋がります。
これも時刻認証局というところが出しているもので、時刻認証局から発行されたものを記録しておくことで、非改ざん性というものを担保できます。
2.電子承認を導入することのメリットとは?
電子承認を導入することで、業務だけでなくコスト面でも大きなメリットがあります。
どのようなメリットがあるのかチェックしてから、社内への導入をご検討ください。
電子承認ならどこにいてもハンコを押せる
「ハンコをもらうために出社する」「ハンコを押すために帰社する」というのは、やはりハンコ文化の大きなデメリットとなっていました。
承認者が泊まりでの出張中であれば、その日のうちにハンコをもらうことは不可能になるわけです。
しかし電子印鑑などを導入することで、こうしたデメリットは一気に解消。
どこにいてもハンコが押せるので、「上司のハンコ(帰社)待ち」という非効率的な状態になることが無くなります。
1つの承認にかかる時間を大幅に短縮できる
1つの承認をもらうために、書類の印刷や承認者の閲覧、書類のファイリングなど、いろいろな作業をする必要がありました。
しかし電子承認を導入すれば、印刷は不要となって電子文書のままデータとして保管することが出来るようになります。
1つの書類のためにオフィスを右往左往とすることが無くなるのです。
これは社員の手間を省くことと共に、時間の短縮にも繋がります。
書類の至るコストを削減できる
承認をもらうためには書類を印刷し、そのまま保管しなければなりませんでした。
しかし、電子文書のまま承認をすることができるようになることで、印刷にかかる費用は丸々カットできますし、書類を紙として保存するための場所も取らずに済みます。
電子承認システムを使うことで費用はかかりますが、これまでかかっていたランニングコストをカットすることが可能です。
電子データのまま扱うので、外出先での紛失があり得なくなる
紙の書類として文書を持ち歩けば、もちろん紛失してしまう可能性があります。
しかし、電子データのまま文書を扱うということで、物として書類を持ち出すことが無くなり、紛失するということがなくなります。
また紙で保存しておいた場合、膨大な量の書類のなかから1枚抜かれたとしても、誰も気が付かないでしょう。
セキュリティの対策ができるという観点からも、電子承認を導入することにメリットがあるのです。
3.電子承認を導入するときのデメリット
時間の短縮で仕事の効率化にもつながる電子承認ですが、見逃せないデメリットがあるもの事実です。
社内の検討に入る前に、デメリットも知っておきましょう。
取引先が対応していなければ、100%電子承認に移行することはできない
いくら自社内で電子承認を導入していたとしても、取引先が紙の書類でのみ対応していた場合、結局は紙の書類で取引をしなければならなくなります。
自社のなかだけでも電子承認を導入すれば作業は楽になりますが、「あの相手には電子承認で良いけど、あの相手には紙で対応しなければならない」となれば、かえって作業が複雑に感じるようになるでしょう。
逆に「ウチは紙の書類でしか取引をしない」という会社からすれば、電子承認に対応していないことで取引先から面倒がられる可能性があります。
周りの取引先の状況も見ながら、電子承認をメリットとデメリットを天秤にかけ、慎重に導入の判断をするようにしましょう。
導入をするにも、それなりのコストがかかる
電子承認のシステムを導入するには、そのためにツールを使うことになります。
利用回数に応じて費用がかかっていくシステムであれば、企業の規模が大きくてツールの利用頻度が高いほど、コストがかかるということです。
利用規模によってコストはピンキリということになるのですが、コンスタントに使っていくのであれば、年に100万円くらいは想定しておいても良いかと思います。
導入前には初期費用やランニングコストを確認し、コスト面でも従来と天秤にかけて判断することがおすすめです。
4.電子承認のシステムを導入するまでの流れ
最後に、電子承認を導入するまでの流れを確認していきます。
簡単にでも流れを把握して、社内での検討に備えましょう。
ステップ①
導入の範囲と書類の承認ルートの確認
まずは、電子承認のシステムをどの範囲まで導入するのか検討しましょう。
不動産関係の書類では電子化できないものもありますし、急に膨大な量を電子化すれば、それだけかかるコストも一気に増すことになります。
様々な観点から、どこまでの範囲で導入するのか決めましょう。
そして、「この書類はどの範囲まで行き渡るのか」というところを確認することも必要です。
1つの部門だけで完結する書類なのか、他部門と行き来する書類なのか、ルートを把握しておくことで、ワークフローを把握しておきます。
ステップ②
運用のスタート後まで任せられる担当者を決める
運用したあとも継続的に任せられる担当者を決めておきましょう。
もしシステムに不備があって上手く動かなくなってしまえば、書類の流通に影響が出ます。
導入時のことも大切ですが、導入を開始した後にも継続的に任せられる、そんな人材を担当者に捉えると安心です。
ステップ③
まずは小さな規模で導入し、本導入の検討をする
いきなり社内全体で導入をすれば、何か不備があったり使い方が分からなかったりと、業務に支障が出る可能性もあります。
そのため、まずは限られた部門だけで導入し、使い勝手や不備が無いかなど、見ておくと良いですね。
5.まとめ
感染症の影響もあり、自宅でリモートワークをする人も増えてきました。
そんななか、ハンコをもらうためだけに出社する、非効率な事態に陥っている場合もあるでしょう。
非効率な業務であると知りながらその作業をするのは、精神的にも負担が大きいはずです。
電子承認を導入することで、いわゆる“ハンコ出社”を無くし、どこにいても承認をもらったりしたりという作業が出来るようになります。
書類の保管スペースやコストを削減することにも繋がりますね。
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