請求書発行のタイミングはいつがいい?
請求書発行の適切なタイミングがわからず、いつも請求書業務で悩んでしまうことはありませんか?請求書は発行が義務付けられているものではないため、法的に定められたタイミングはありません。
しかし、発行のタイミングを間違えてしまうと、取引先とのトラブルにつながる可能性があります。この記事では、請求書発行のタイミングと発行日について解説します。
1.請求書の役割から発行日を設定
請求書とは、商品やサービスを提供したことに対して定められた金額を定められた日付に支払うことを表した書類です。そのような役割がある請求書の発行日は、どのように設定するのが正しいのでしょうか?
発行日の役割と発行日の決め方、また発行日と作成日の関係についても見ていきましょう。
発行日の役割
請求書の発行日には、支払い義務が発生した日を明らかにする役割があります。発行日を記載することで、「この日に支払いに応じる責任ができた」ということを明確にします。
請求書の発行日は、実際に入金を行う際や支払い期日を設定する際に重要となる情報です。そのため、発行日は適切に設定しなければなりません。
発行日を記載しないと、いつ取引が行われたものかが不明確となるため、架空取引と疑われる可能性もあります。税務調査の際に不信感を与えてしまうため、取引先のためにも自社のためにも発行日の記載は必須です。
ただし、請求書を処理する段階で、発行日がつけられていないことに気づいても、発行日を記載するのは辞めましょう。発行日を記載しただけでも、作成者以外が請求書に手を加えてしまうと、書類の改ざんとみなされるかもしれません。
請求書は、取引や入金の事実を確認するための大切な書類です。発行日の修正が必要な場合は、作成者に修正を依頼するようにしましょう。
発行日の決め方
請求書の発行日の決め方は、大きく分けて2通りあります。通常、請求書を発行する目的はサービスや商品を納品したことに対する対価を請求することです。この通りに従うと、発行日は商品やサービスを納品した日にちになります。
しかし、1ヶ月の間に1つの取引先から複数回に渡ってサービスを提供してもらう場合や、1ヶ月まとめて支払いを行っている場合はこの定めではありません。
この場合は、発注側となる取引先が指定した締め日を発行日に設定します。本来の発行日の役割である支払義務が発生した日付とずれてしまいますが、多くの企業が締め日に設定しています。一つ一つの取引内容を確認できるように書類を準備する必要はありますが、締め日にまとめてしまっても問題ありません。
臨時的に取引をお願いしたところや、一度だけと決まっている取引先であれば、納品完了した期日にあわせると請求書の管理がしやすいです。
作成日と発行日は異なる場合がある
請求書の作成日と発行日は、必ずしも同じにはなりません。請求書の送付予定日や取引先の締め日に合わせる都合などで、発行日よりも先に請求書を作成する場合もあるでしょう。この場合は、作成日が発行日よりも数日早くなります。
たまに発行日に合わせて、作成した日と異なる日付を作成日に設定する人もいるでしょう。作成日は変更する必要がないので、正直に請求書を作成した日付を記載してください。
2.請求書発行のタイミングはいつ?
請求書は、実際いつ発行するのが適切なのでしょうか?請求書の発行タイミングには、都度方式と掛売方式の2つの方法があります。それぞれどのようなタイミングで発行をするのか、違いと共に解説します。
都度発行する場合
商品やサービスの納品が完了したタイミングで請求書を発行することを、都度方式といいます。取引数が少ない場合や、サービス完了のタイミングで資金を振り込んでほしい場合に利用される方式です。
都度方式の場合は、取引完了直後に請求書を発行します。請求書の送付忘れの心配がなく、お互いに請求書と入金のやりとりの管理が行いやすいでしょう。
ただし、1ヶ月に複数回の取引が行われる場合は、都度方式で請求書を発行すると手間がかかります。その場合は、この後紹介する掛売方式を利用しましょう。
まとめて発行する場合
1ヶ月の取引をまとめて請求する場合は、掛売方式を採用します。1ヶ月で複数回取引がある場合や、継続的に取引を行っている企業に対して活用する方式です。
掛売方式の場合は、1ヶ月で発生した売上を取引先が定める締め日に合わせて発行します。例えば、月末締めの場合は月末までの売上を記載し、発行日を月末に設定して請求します。
まとめて請求することで、双方の請求業務にかかる負担を軽減できるでしょう。多くの企業が掛売方式を採用しています。
掛売方式の場合は、予め取引先に締め日を確認しておきましょう。企業によって月末、20日、15日というように締め日が異なります。締め日に合わせて発行しなければ、取引先に迷惑をかけてしまうかもしれません。
3.請求書の支払期日は?
請求書の支払期日は、取引先との契約時に定めるのが一般的です。多くの企業では、月末締め翌月払いとしているところが多いです。しかし、企業によって締め日や支払日は異なります。企業ごとに定めたルールのもとで決められているため、確認しておきましょう。
例えば、月末締め15日払いとしているところもあれば、20日締め月末払いなどとしている企業もあるでしょう。支払期日を予め確認しておかなければ、請求書の支払期日を間違えて記載することになります。
4.請求書発行で気をつけること
請求書発行をする際は、タイミングや発行日だけではなく形式にも気をつけたいところです。
取引先が求める形式で発行する
請求書を発行する際は、取引先が求める形式で発行するようにしましょう。最近では、電子帳簿保存法の改定によりPDFでの送付を求める企業が増えています。
しかし、中には請求書は紙でなければ受け取らないという企業もあります。企業が求める形式で発行できるように、契約時や請求書発行前に確認しておきましょう。
PDFで発行する場合は、電子帳簿保存法の要件を満たす形での発行が求められます。
- 訂正・削除の履歴が確認できる
- 検索機能を確保している
- 帳簿間の相互関係が明確である
PDFファイル名には、取引先・取引金額・日付を記載し、いつどこからいくらのお金のやりとりを行ったものかを確認できるようにしましょう。
電子データでの押印の有無を確認する
PDF形式で発行する場合は、押印が必要かどうかも合わせて確認しましょう。電子データの請求書では、押印は義務ではありません。しかし、会社の印鑑があると、会社が発行したことの証明となります。
そのような理由から、電子データでも押印を求める企業は多いです。押印がないことで再発行とならないように事前確認するか、電子データでも押印をしておくと安心です。
まとめ
請求書の発行タイミングと、発行日の役割について解説しました。請求書の発行タイミングは、取引先が定める日付に合わせるのが最適です。主に、掛売方式と都度方式の2つの発行タイミングがあるため、取引先によって適切な方法で発行できるようにしましょう。
ただし、請求書の発行タイミングが異なると、請求業務が増えてしまいます。請求書の管理や送付のし忘れも起こりやすくなるでしょう。
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