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会社のハンコは本当に必要?脱ハンコのメリットやハンコの法的な力

署名の代わりにハンコを押すという方法は、日本特有の文化です。テレワークが主流になっている今でも、ハンコを押すために出勤をする、ということがあります。

本コラムでは、下記に注目して解説していきます。

  • 本当にハンコという存在は必要なのか
  • 脱ハンコのメリット
  • 脱ハンコのデメリット
  • 脱ハンコを進めるうえでの注意点
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1.なぜハンコが必要?日本の古典的なハンコ文化が原因だった

昨今では、自宅からテレワークをして、出社をせずに仕事ができる時代になってきました。
しかし、書類を作成するにあたって、どうしても押印が必要になることがあります。
これによって、いくらテレワークが促進されたとしても、上司などのハンコをもらうために出社しなければならないという事態が起こります。
こうしたシステムが変わらない限り、テレワークのメリットを100%活かせるようにはならないでしょう。

世界中の企業に目を向けてみると、日本のように取引のなかでハンコを使っている企業はほぼありません。
いくら社内でペーパーレス化が進んでも、取引先にハンコ文化が残っていれば、その取引先との取引では、従来通りハンコを使った紙での取引を続けなければなりません。
そのためハンコ文化は日本独特のものだとも言えますが、ハンコ文化が業務効率化の妨げになっていることも確かでしょう。

契約書については、ハンコがなくても当事者同士で合意していれば、契約が成立することになっています。
押印が必要なルールがある場合は別ですが、特別な事情がなければハンコがあってもなくても、契約の効力として差はありません。
しかし、「お互いが同意をしている」という意思表現の形としてハンコを押しているということに意味があり、文書にして契約を交わす場合には、今でもハンコが使われていますね。

2.ハンコは本当に必要なの?法律から見たハンコの必要性

意思表示の意味合いや、なんとなく押してあれば安心だから、という理由で使われていることの多いハンコ。
実際のところ、法的な観点からするとハンコはどの程度必要なものなのでしょうか。

政府が公表した押印についての解釈には、「契約は当事者の意思合致によって成立するため、書面の作成や書面への押印は、特段の定めがある場合以外は、必要でない」という旨の説明をしています。
「書面の作成及び書面への押印」となっているので、実はハンコだけでなく書面や文書の作成さえ、「特段の定め」がなければ必要ではないとしているのです。

法的な観点からするとハンコは必ずなければならないものではないということですが、社外に出す書類については、口約束の契約だと「言った言わない」というトラブルにもなりかねないので、形だけであったとしても、場面によってはハンコを使うことは必要かもしれません。

3.ハンコ文化のデメリットを解消するのに必要|脱ハンコのメリット

実は法的にはそこまで必要性のないハンコの文化。
世の中では“脱ハンコ”の動きも推進されていますが、脱ハンコによって生まれるメリットとはどのようなものなのでしょうか。

脱ハンコメリット①
ハンコ出社がなくなり生産性アップ

序盤でも解説した通り、いくらテレワークが進んでいても、ハンコをもらうために出社するのでは業務効率が上がり切りません。
ハンコ文化を廃止することでハンコ出社の習慣が無くなり、ハンコのために出社をするという非効率な業務がなくなります。
ハンコをもらわないと業務を進められないということで、上司の帰社を待つという無駄な時間も無くなるでしょう。

また、脱ハンコを実施するということは電子データとして書類を扱うことになりますから、紙の書類を郵送したり保管したりという手間も無くなります。
業務の生産性を向上させるメリットがあるでしょう。

脱ハンコメリット②
電子データで扱うようになってセキュリティも向上

脱ハンコを進めるということは、電子印鑑などのツールを使って書類を電子データにして扱うということです。
ということは、紙の書類をひとつずつファイリングする必要がなくなりますし、資料として倉庫に保管しておく必要もなくなります。
電子データで保管するにはセキュリティ対策もしっかり講じなければならないので、書類の紛失やデータの改ざんといったリスクが回避できます。

脱ハンコメリット③
ペーパーレス化でコスト削減

電子データで完結させられれば、それだけ紙を印刷する回数は減りますし、処分する回数も減るでしょう。
そうすれば、印刷代や印紙代、インク代、プリンターの整備など、印刷に用いるすべてのコストを削減することができます。
ツールを導入するときには導入費がかかりますが、ランニングコストを抑えることができますので、大きなコスト削減に繋がる可能性があります。

4.脱ハンコにもデメリットがある|社内でよくの検討が必要

セキュリティを強化する機会になったりコスト削減になったりと、脱ハンコを進めることで得られるメリットはたくさんあります。
しかし、事前に確認しておくべきことや、導入にあたって注意することなど、脱ハンコに関するデメリットと言えるものもあります。

脱ハンコデメリット①
不動産関係の書類は電子化できないものがある

電子化が進んでいる昨今ですが、不動産の賃貸契約書や重要事項説明書といった書類は、紙の書類として残すことが必要になっています。

そのため、不動産関係の企業の場合、安易に脱ハンコの一環として電子データ化することがオススメできないこともあります。

電子帳簿保存法との関連もあるので一概にはいえませんが、電子化できない書類がある以上、「電子化する書類」と「紙で保存する書類」が混合することで管理が複雑になる可能性があるでしょう。

脱ハンコデメリット②
大企業ほど業務フローの見直しに手間がかかる

今まではハンコをもらうことも業務の一つであったので、業務フローのなかにはハンコをもらうことも含まれていて、計算された作りになっていたはずです。
しかし、電子印鑑などのツールを導入することでハンコをもらう業務は不要になるので、業務フローを見直す必要が出てきます。
小規模な企業であれば担当者の数も少なく対応しやすいかもしれませんが、大企業になれば手間や負担は大きくなるでしょう。
こうしたことに配慮すると、脱ハンコへの動きはかなり大きな決断であり、社内の検討も早め早めに動きださなければなりません。

電子印鑑などのツール導入にコストがかかる

もちろん、電子印鑑や電子署名システムなどのツールを導入する際には、それだけのコストがかかります。
これまで紙でやってきた経費と比べ、ツールを導入することでどれだけお金がかかるのか、十分把握するようにしましょう。

導入をした後に「導入前のほうが経費や安く済んでいた」ということにならないよう、電子化がコスト削減に有効な働きをするのかどうか、導入の前と後で比較しておくことも重要です。

5.脱ハンコを進める手順|社内だけでなく社外からの理解も必要

脱ハンコを進めるために、まずは電子印鑑(電子ハンコ)を用意することが必要です。
電子印鑑には2種類あり、実印の印影を画像にしただけのものもありますが、作成者の情報やタイムスタンプが付与されているものの方が信頼の度合いが高くなります。
次に、契約フローの終始をすべてオンライン上で完結させることができる、電子契約サービスを導入しましょう。
作成から保管まですべてオンライン上で終わるので、一度も紙として印刷する必要がありません。
また、ワークフローシステムというものを導入すれば、社内の稟議もオンライン上で行うことができるようになります。
クラウド型と呼ばれるものであれば、テレワーク中でのハンコを押せるため、ハンコを押したりもらったりするためにオフィスまで出向くということがなくなります。

契約書などを電子化することもできるわけですが、それは相手方にも脱ハンコの動きがあり、オンラインで行うことに了承してもらってはじめて実現することです。
元々は業務の効率化やコスト削減が目的の脱ハンコですが、取引先が脱ハンコを推進していなければ、こちらは紙の取引で対応するしかありません。
こうした場合には、どうしても電子データの書類と紙の書類を混合して管理しなければならなくなるので、逆に手間になってしまうという問題もあります。
取引先の状況も伺いながら、脱ハンコが本当に自社にとって意味のあるものなのかを検討することも大切です。

6.まとめ

本人が確認し承認した、という意味で使われることの多いハンコ。
押すだけで承認したことになる簡単さもあってハンコ文化が浸透したのかもしれません。
しかし、そのためにペーパーレス化が進まず、余計なコストがかかっていたり、セキュリティの観点で課題があったりと、デメリットがあるのも事実です。
事業によってはハンコ文化を捨てきれない場合もありますが、脱ハンコの動きとともに電子化も活用していくことで、ビジネスをより円滑なものにすることができるでしょう。

日本の文化であるハンコですが、DX化やペーパーレス化の動きに伴って脱ハンコに取り組む必要性も高くなります。
当社のGO!!電帳ではシステム内で書類の承認をすることができるので、ハンコ文化からの脱却に最適なツールです。
ぜひ一度、ご利用をご検討くださいませ。

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本コラムは、ユーエスエス編集部がお届けします。

JIIMA認証を受けたGO!!電帳を提供するユーエスエス

ユーエスエスグループで開発する製品は、電子化・業務改善システムが多くあり、グループ累計で5000社以上の企業で利用されています。

文書情報管理士を取得した当社スタッフがコラムを監修し、電帳法・文書管理等の情報を発信しています。

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