請求書の保存期間は何年必要?法人と個人に分けて解説
会社が成長すればするほど請求書・領収書等の枚数が増え、書類の保存場所の確保・把握に頭を悩まされている方も多いのではないでしょうか?また、税務調査の対象期間の都合上、長期間書類を保存しておく必要があり、書類状況を把握するのも大変かと思います。
今回は、「請求書は何年保存すればいいか?」といった悩みの解決や、法人企業と個人事業主で異なる請求書の保存期間について解説します。
1.請求書の保存義務
請求書は、取引が成立したことを証明する「証憑(しょうひょう)書類」と呼ばれる書類です。「証憑書類」は法人税法・各税法・会社法により一定期間保存することを義務付けられています。保管期間を守れなかった場合、消費税計算における仕入税額控除がされない可能性や、100万円以下の過料が発生する場合もあります。個人の判断で勝手に破棄することは認められない重要な書類です。
また「証憑書類」は、請求書の他にも見積書、発注書、注文書、納品書などの様々な書類があり、すべてが税務調査の対象です。管理をする担当者は書類の保存期間をしっかり把握しておく必要があります。
2.請求書の保存期間
請求書の保存期間は、法人と個人事業主で異なります。それぞれ詳しく紹介します。
法人の場合
法人企業の場合、証憑書類を7年間保存する必要があります。つまり、証憑書類となる請求書・見積書・発注書・注文書・納品書 等の書類は7年間適切な管理を行う必要があるといえます。
また、保存期間の起算点は、事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間です。
例えば、法人税の確定申告書の提出が2022年9月30日の場合、請求書の保存期間は2029年9月30日までです。請求書に記載している日付から7年ではないので注意が必要です。
個人の場合
個人事業主も、法人企業と同様に証憑書類を保存する必要があります。しかし、保存期間は法人と異なり5年間と定められています。青色申告・白色申告に関わらず5年です。
また、保存期間の起算点は確定申告の期限日からです。
例えば、確定申告書の提出が2022年3月1日の場合、請求書の保存期間は2027年3月1日までです。請求書に記載している日付から5年ではないので注意が必要です。
しかし、課税売上高が1,000万円以上の個人事業主は「消費税課税事業者」となり、証憑書類を7年間保存する必要があり注意が必要です。
3.請求書は10年保存が安心
法人企業の場合、青色申告書を提出した事業年度において収益がマイナスだった場合、翌年度以降の収益で欠損金(マイナス)を埋めることが可能です。翌年度以降の利益を相殺でき、税金を抑えることができます。また、欠損金を控除できる期間は10年です。
基本的に7年間の保管ルールを守っていれば保存期間としては問題ありません。しかし、赤字が出てしまった場合のリスクも加味して10年間保存するルールを設けておくと、税金対策を行うことができます。
4.請求書の保存方法
請求書を保存する方法は大きく分けて下記の「紙保存」と「電子保存」の2つがあります。それぞれの保存のやり方をみていきたいと思います。
紙保存
紙保存とは、紙で届いた請求書をキャビネットや倉庫に保管するやり方です。
紙保存の場合はバインダーで書類を保管すると、紛失リスクが低くなり運用も行いやすいです。しかし、請求書を闇雲にバインダー保存すると、必要になった際に見つけることが難しくなります。月別や費目別など分かりやすくまとめて管理することも大切です。
しかし、2022年度に改正された電子帳簿保存法により電子データで受領した請求書は、電子データでの保存が義務づけされました。紙のみで取引を行っている企業であれば、バインダーでの紙保管で問題ありません。しかし、顧客との取引をPDF・メール等で行っている企業は、下記のような電子保存に切り替えていくことをお勧めします。
電子保存
電子保存とは電子で受領した請求書を電子データで保存することです。
近年、パソコンを利用した取引が増えたことにより、2022年1月に電子帳簿保存法の改正がありました。そのため、電子で受領した請求書は電子保存が必要となり、企業・個人事業主の方は下記のいずれかの方法で請求書を管理する必要があります。
- 「真実性の要件」と「可視性の要件」の2種類の決められた要件を満たし自社で電子保存を行う。
- 電子帳簿保存法に特化したシステムを使う。
自社で電子保存の要件を満たしたか不安がある場合は、電子保存システムを利用することもできます。当社が提供するGO!!電帳は、東京国税局が確認した電子帳簿保存法に対応した請求書・領収書等を保存するシステムです。お困りの方は是非お問い合わせください。
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5.まとめ
今回は請求書の保存期間は何年か?という疑問を解説させていただきました。請求書の保存期間は7年間必要ですが、企業の赤字が出た場合のリスクも加味すると10年保存が安心です。また10年分の書類を紙保存する場合、スペースの確保が非常に大変です。電子化を行うと法律の対応を行うだけでなく、様々なメリットが生まれる可能性があります。
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