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電子帳簿保存法の宥恕措置はどうなる?令和5年度税制改正大綱を解説

令和5年度税制改正大綱で電子帳簿保存法の見直しが公表されました。電子帳簿保存法の見直しによって「わたしたちにどのような影響がでるのか?」と疑問に感じる事業者様も多いのではないでしょうか?今回はこの大きな変更があった電子帳簿保存法に関する内容を解説していきます。

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1.電子帳簿保存法とは?

「電子帳簿保存法(電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律)」とは、国税関係の帳簿書類等を一定の要件の下、電子データで保存することを認めた法律で、1998年に施行されました。電子帳簿保存法を略して「電帳法」とも呼ばれます。

時代の変化による影響から、何度も改正が行われ、2015年には、スキャナ保存の要件が大幅に緩和されました。3万円未満という金額の上限が撤廃され、電子署名も不要になりました。

2016年にはデジタルカメラやスマートフォンによる撮影での電子データ化も認められるようになりました。

また、2020年の改正では、キャッシュレス決済の場合に領収書が不要になるなど、電子取引での対応措置要件も緩和されています。

さらに2022年1月の施行の改正では、テレワークの普及によるペーパーレス化の進行などを背景に、さらなる抜本的な見直しがなされました。

このように電子帳簿保存法は時代の変化に合わせて、改正され続けている法律です。

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2.令和5年度税制改正大綱の「電子帳簿等保存」に関する改正内容

では、今回の令和5年度税制改正大綱において、どのような電子帳簿保存法の改正があったのでしょうか?詳しく見ていきましょう。改正の大きなポイントは以下の3つです。

「優良な電子帳簿の範囲」の見直し

今回の税制改正大綱では、「優良な電子帳簿に係る過少申告加算税の軽減措置」における「優良な電子帳簿の範囲」が見直されました。

「優良な電子帳簿に係る過少申告加算税の軽減措置」とは

「優良な電子帳簿に係る過少申告加算税の軽減措置」とは、国税関係帳簿が一定の要件を満たした「優良な電子帳簿」の場合、過少申告加算税が5%軽減される制度です。

通常、国税関係帳簿に記載された事項に申告漏れがあった場合、その申告漏れに対して過少申告加算税が課されます。しかし、国税関係帳簿が一定の要件を満たした優良な電子帳簿の場合、過少申告加算税が軽減されます。

「優良な電子帳簿の範囲」の見直しとは?

従来の制度は「優良な電子帳簿」の要件が厳しく、企業の対応ハードルが高い状態でした。

しかし、今回の見直しは「優良な電子帳簿」となる書類の範囲を以下のように明確化されることで、企業が対応しやすくなりました。

「優良な電子帳簿」となる書類の範囲
  • 仕訳帳
  • 総勘定元帳
  • 次に掲げる事項の記載に係る上記以外の帳簿
    • 手形
    • 手形
    • 売掛金
    • 買掛金
    • 有価証券
    • 減価償却資産
    • 繰延資産
    • 売上げ、その他収入
    • 仕入れ、その他経費または費用

総務省「令和5年度税制改正」

「スキャナ保存制度」の見直し

次に「スキャナ保存制度」の見直しに関して解説します。「スキャナ保存制度」の見直しは、22年度の改正でも緩和されましたが、今回はさらに以下の3点の要件も見直されました。

【廃止】記録事項の入力者等に関する情報の確認要件

従来はスキャナ保存する際、電子書類に対して入力者・確認者・監督者情報を設ける必要がありました。改正後は、入力者または監督者の情報のみ設けることになりました。

入力者とは、スキャナ保存を行った際に書類の確認を行った人を指します。

【廃止】解像度・階調・大きさに関する情報の保存要件

従来はスキャナ保存する際、電子化した書類に解像度(解像度200dpi以上)・階調(256階調以上のカラー画像)・大きさ(縦297mm、横210mmで保存)の詳細な数値情報の保存要件が設けられていました。今回の改正ではこれらの保存要件が廃止になりました。

ただし、スキャニング時の解像度等の要件がなくなるわけではありません。スキャニング時の要件は以下のように設けられていますので、誤解のないようご注意ください。

  • 解像度(解像度200dpi以上)
  • 階調(256階調以上のカラー画像)

【限定】帳簿との相互関連性要件の対象を重要書類のみに

スキャナ保存した国税関係書類との相互関連性を満たす書類は、重要書類のみに限定されます。限定書類に該当するのは、契約書・納品書・請求書等です。従来は一般書類(注文書・見積書 等)も相互関連性を満たす必要があります。

スキャナ保存に関する条件が緩和されることで、企業は管理の手間が減り対応しやすくなりました。この見直しは、令和6年1月1日以後に法定申告期限等が到来する国税から適用となります。

「電子取引の保存制度」の見直し

「電子取引の保存制度」も見直されました。具体的には、以下の対象者は、国税庁などの職員の求めに応じて、電磁的記録のダウンロードに対応できる状態となっていれば、電子データでの保存は不要となります。

電子データでの保存が不要となる対象者

  • 判定期間における売上高が5,000万円以下である保存義務者
  • 電子的記録の出力書面の提示又は提出の求めに応じることができるようにしている保存義務者

3.2024年以降も電磁的記録を紙保存することは可能なのか?

令和5年度税制大綱改正には、以下の2つが盛り込まれています。

電子取引の取引情報に係る電磁的記録を保存要件に従って保存をすることができなかったことについて相当の理由がある保存義務者に対する猶予措置として、申告所得税及び法人税に係る保存義務者が行う電子取引につき、納税地等の所轄税務署長が当該電子取引の取引情報に係る電磁的記録を保存要件に従って保存をすることができなかったことについて相当の理由があると認め、かつ、当該保存義務者が質問検査権に基づく当該電磁的記録のダウンロードの求め及び当該電磁的記録の出力書面(整然とした形式及び明瞭な状態で出力されたものに限る。)の提示又は提出の求めに応じることができるようにしている場合には、その保存要件にかかわらず、その電磁的記録の保存をすることができることとする。

電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存への円滑な移行のための宥恕措置は、適用期限の到来をもって廃止する。

総務省「令和5年度税制改正」

要約すると、2024年以降も電子データからの紙保存を認めるという内容になります。

4.まとめ

ここまで令和5年度税制改正大綱の電子帳簿保存法に関する内容を説明してきました。

今回の大きなポイントは「電子取引の保存制度」の見直しかと思います。

企業の経理担当者にとっては、2024年1月以降も紙保存ができ安心された方も多いかと思います。

しかし、気を付けないといけないことは、「電子帳簿保存法」は時代の変化に合わせて、改正され続けている法律というところです。今後もデジタル化が進むことで、再度法律の改正がされる可能性もあります。お早めに書類の電子化を行うことをお勧めします。

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ぜひ一度、ご検討いただければ幸いです。

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